ビーズドール 尼君


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正面から

高貴な家柄の姫君として人生を歩んできた女性。
今は世間を離れて静かに暮らしています。


横から

尼削ぎの髪型の特徴、わかりますか?


後ろから

袿は抑えた色の重ねを着ています。





源氏物語に登場する女性には出家する人物が数多くいます。
藤壺の中宮、六条の御息所、空蝉、朝顔の姫君、朧月夜、女三の宮、浮舟などです。
今回の尼君はそんな女性たちをイメージしました。
出家を願いながらもついに果たせなかった紫の上の尼姿のイメージでもあります。
出家した女性の髪形といえば、背中の真ん中あたりで切りそろえた
尼削ぎが知られていると思います。
この尼削ぎ、背中側を深く削ぐのと同時に
前髪(でしょうか?)を頬にかかる辺りで短く削ぐらしいのです。
前にイベントリポートで紹介した国宝源氏物語絵巻展でこのことを知って以来、
尼君のビーズドールを作る時は必ずこのポイントをおさえようと
決心(?)していました(笑)
さて、ところでみなさん、この髪型どこかで見たことがあると思いません…?
…いわゆる姫カットですよ、コレ。
つまり姫カットって、尼さんカット…(笑)
(現在姫カットな方…どうかお怒りにならないでください(汗)
姫カットが変だといっているわけではありませんよ!!)
髪型つながりでもう少し続けます。
尼削ぎでも現代の感覚では十分ロングヘアになると思います。
でも平安時代の、身長を超える長さまで伸ばした髪を
出家でバッサリ切るのは相当な喪失感でしょうね…
毎度ビーズドールを作るたびに、姫君たちの髪を特小ビーズで一粒ずつ編んでいるので、
今回の尼君の髪を編んでいるとき「あ、こんなに短いの!?」と
その喪失感をちょっと味わえたような気がしました。

数珠玉の数はちゃんと108個あります。
手に持たせにくいほど長くなってしまったので、やむなく頭から、すぽっとかぶせました(汗)

写真では分かりづらいかもしれませんが、ちゃんと袿には柄があります。
尼さんなので控えめに、光の加減で浮かび上がるようになっています。
柄の図案が載っていますので、ぜひ下のリンクからご覧ください↓


材料と図案はこちらで紹介します。


2012年11月1日公開



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