イベントリポート 五島美術館・国宝源氏物語絵巻展
東京・上野毛の五島美術館で開催中(〜2010年11月28日まで)の
「開館50周年記念特別展 国宝源氏物語絵巻」で、
五島美術館と徳川美術館に所蔵されている
国宝「源氏物語絵巻」が一挙に公開されるそうです。
すでに行かれた方もいらっしゃいますか?
なんでも東京での一挙公開は10年ぶりだそうです。
私も行きたいなあと思っていますが、
行けるのは26日で、かなり終わりの方です…
横浜美術館で2008年に開催された
「特別展 源氏物語の1000年−あこがれの王朝ロマン−」
の時にも、
確かこの源氏物語絵巻は一部が展示されていたと思いますが、
また見られるというわけです!しかも今度は全部!!
国宝が見られるというのもうれしいですが、
今回、成立当初の姿を想定復元したものも
一緒に展示されるそうです。
国宝の絵巻の現在の姿は、歴史を感じさせる様子です
(わるくいえばあまりきれいではな…)。
成立当初の美しさに出会えるのは、
うれしいですよね。
興味のある方はお早めに!
くわしくは五島美術館のホームページへ!!
五島美術館
五島美術館は11月29日から2年ほど
改修工事のために休館するそうです。
行くなら今、かもしれません。
実際に行きましたら、様子を報告したいと思います。
(だって、このまま終わったら、
このコーナーのタイトルが意味のわからないものに…!)
<2010年11月18日>
…イヤ〜、行ってきましたよ!!
五島美術館!!
どうせ、たいして混んでいないだろうと思っていたのですが…
(だってですね、駅の案内表示機に
「開館50周年記念特別展 国宝源氏物語絵巻 開催中です。ぜひお越しください」
みたいな紹介が流れていたんですよ。
誰もお客さん来ないから書いてるのかなあって…)
何と、90分待ち!!!
駅の改札の外に、プラカードを持って係の方が立っていました。
丸の内で開かれた、探査機はやぶさのカプセル公開と同じくらいですね。
(はやぶさカプセルも見に行ったんですよ、8月の暑い日でした。
国立科学博物館の「空と宇宙展」にも行きましたし、
カプセルには合計で3回会いました!)
…失礼しました。つい話がそれました…。
実際、とても混んでました。
ですが、順番待ちで通された部屋にも
源氏物語に関する解説や、
国宝の絵巻の今現在の状態を模写した絵が展示されていて
退屈しませんでした。
窓には、装束の柄をプリントしたカーテンが下げられていて
それもきれいでした。
なぜか待合室で「絵本源氏物語」という本が、
その場所のみでの限定発売とされていました。
他の皆さんは買っていませんでしたが、
私は思わず買ってしまいました。
帰ってきて少し読んでみたところ、なかなか面白そうです。
いい本でしたら、「おすすめの本」コーナーで紹介したいと思います。
…さてお待たせしました。いよいよ展示についてです。
展示室の中は、絵巻を保護するために
照明が暗くしてありました。
また仕切りとして、御簾をデザインした布が天井からつるしてあったので、
展示室に一歩足を踏み入れただけで
もうワクワクしました(あくまで個人の感想です(笑))。
絵巻は物語の順に展示されていて、
国宝の絵巻のとなりに平成復元模写が並べてありました。
もとはこんな絵だったのかな、と想像しながら見られるので
とても良かったです。
ところで、物語の文章を書いた「詞書(ことばがき)」
(何が書かれているのか、正直私はサッパリなのですが)、
同じ時代に作られた絵巻を、構成しているものなのですから
当然、絵と同じくらい変色が進んでいるはずですよね?
よく見ると、詞書の書かれている紙にも
何か絵や文様が描かれているようなんです。
あまりそれについて詳しい解説はありませんでしたが、
山や波のような絵が描かれている上に
重ねて文章が書かれているようです。
ということは、詞書の紙に雲のように入っている灰色の模様は
汚れやしみではなく
わざと絵の具で書いたものなのでしょうか。
復元の絵と国宝の絵を見くらべると、
長い年月の中で灰色に変色した色もあるようです。
ですから、模様であれば、紙に漉き込んだものではないと思われます。
絵巻は、絵と詞書を合わせてひとつの美術品ですから、
華麗な絵に合わせた色や柄の紙を
詞書の紙に使うことは十分に考えられます。
ぜひ詞書の方も、科学分析を進めて復元してほしいな、と思いました。
源氏物語絵巻はどれほどすばらしいものだったんだろう…
そんなことも考えながら、成立当初の姿に思いを馳せる
とても楽しい時間でした。
さて、鑑賞が終わったらおみやげです。
私はよく展覧会に行くと図録を買います。
(ところで、図録ってどんな展覧会でも1冊2500円くらいですよね?
美術展でも科学展でも…。
値段決まっているんですかねぇ?)。
今回ももちろん買いました↓
あと、絵巻にも出てくる装束の柄をデザインした巾着袋や
絵はがきも販売していました。
そんな中で面白かったのはこれ↓
ヘッドマークシールです!
つい2枚買ってしまいました。
「…ヘッドマーク??」という方は↓
このように電車の前や後ろにつけるものです
(写真は池上線全通80周年のときのものです。管理人撮影。
ちなみにこの子の名前は戸越銀次郎です。かわいい!)。
この「五島美術館 開館50周年」のヘッドマークの図案は、
どちらも国宝源氏物語絵巻からとったものですが、
光源氏と紫の上ではなく
なんと夕霧と女房なんです…!
手に持っているのは、柏木の形見の笛だと思います。
女房の名前は分からないです(名前が設定されていないのかも)。
ヘッドマークにふさわしい、いい構図がなかったから
この2人になったのでしょうね。
源氏物語絵巻展の開催に合わせて、このマークを付けた電車が
大井町線を走っているようです。
私は出会えませんでした。残念!
残念と言えば、美術館の庭園も見られませんでした。
おみやげを買った後、「では」と思ったら、
「庭園は日没のため終了です」
まだ4時15分なのに!
秋の日はつるべ落とし、って言いますものね。
途中の駅で豆大福を買って帰りました。
26日に帰ってきてから書き始めたのですが、
いつの間にか日付が変わってしまいました(笑)
しかも途中休憩(睡眠)ありです。
展覧会終わるって言うのに、こんなぎりぎりですみません。
今後も源氏物語絵巻の展示はあるはずなので
ぜひ見てみてください。
五島美術館では春と秋に、
所蔵している部分は展示しているそうです。
(あっ…29日から2年は休館でした…ああ、庭園…orz)
<2010年11月27日>
2010年11月18日公開
2010年11月27日更新