秋好中宮付きの女房:「中宮さまは美しくて、人柄もお優しくて…
帝の御寵愛が深いのも当然ですわね」
――六条院・秋の町の自室でくつろぐ秋好中宮。
常日ごろ、そば近くに仕える女房たちには、
しばらく一人にして欲しいと言ってある。
秋好:(また今年も秋が巡ってきたわ…お母さまの命日も近いのね。
お母さま…物の怪であるかのような汚名を着せられて…
わたくしの知っているお母さまは、そんな方ではないのに。
上品でお優しくて…
わたくしはお母さまのようになりたいと、いつも願っておりますのに…)
秋好:「お母さま…もう一度お目にかかりたい…」