ビーズドール 夕顔


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左上から

夕顔の花咲く五条のある家に、隠れ住む女君がいました。

左から1

使い慣れた白い扇をいつも身近に置いています。

左から2

夕顔:あのお方には、もう会えないのかしら…

◇ ◇ ◇

右前から

夕顔は源氏に連れ出された某の院で、物の怪に襲われます…







今回は夕顔です。
夕顔のはかなげな印象を表すために、
透き通るような薄いピンクと半透明の白いビーズを合わせました。
重ねの1番下に当たる色は白露のつもりです。
夕顔の歌
心あてにそれかとぞ見る白露の…
からとりました。

夕顔といえば妖しげで謎めいた雰囲気…と言う人もいそうですが、
今回はなるべく抑えてみました。
大人しく、弱弱しい
黒須説の夕顔のつもりです。
↑詳しくは当サイトおすすめの本コーナーの
夕顔という女」で!

なのに…背景と下に敷く紙を黒にしたとたんに、
夜桜の雰囲気(妖艶?)になるのはどういうことなんでしょう!? ↓

後ろから  上から


ところで、「心あてに…」の歌に「光」という言葉が入っていることは、
大きなポイントだと思いませんか?
いや、夕顔が歌を贈った相手を光源氏だと思ってそう書いたということではなくて、
「光」と入っていたからこそ、源氏が喜んで返歌をしたのではないかということです。
源氏に付け入る隙を与えてしまったという方が近いかもしれません。
源氏はこの「夕顔」のひとつ前の巻に当たる「空蝉」で
空蝉が女房の「中将」という人物を呼んだ時に、
自分もちょうど中将の位にあったので
人違いだと分かりながら「中将をお呼びですか」と、かこつけて
空蝉の部屋に入っています。
それと同じで「はい!光ですよ」というノリで
面白半分に、人違いと分かっていて返歌をしたのではないでしょうか。
源氏ならその程度のことはやるでしょう。
物語の時間軸上で「空蝉」が「夕顔」より前にあることによって、
そのような性格で行動をする人物として、すでに書かれていたことになります。
ああ、源氏ったらまた同じ手を使ったよ…と読者は笑うべきところなのです。
そう捉えて読むと、面白いと思いませんか?




図案と材料はこちらで紹介します。


2012年3月4日公開
2012年11月10日更新



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