渋谷ヒカリエ8階・川本喜八郎人形ギャラリーに行って来た!(その1)<2012年9月>
渋谷ヒカリエ8階・川本喜八郎人形ギャラリーに行って来た! 目次
初訪問で舞い上がっているので、テンションが若干(かなり?)ヘンですが、その辺は適当に流してくださいませ(汗)
(その2)以降はちょっとはマシです、たぶん。



渋谷を埋め尽くす人の熱気が身にこたえるので、
(私の場合は)行くとなるとかなりの覚悟が必要なんです。
なので、
 渋谷駅 行く鉄の道遠ければ まだ踏みもみず ヒカリエの塔
とまあ、しょうもないことを口ずさみながら(百人一首の大江山…をもじりました(汗))
指をくわえてみていましたが、ついに出かけてきました。しかも2回も!
…今こうして書きながら思いましたが「行く鉄の道遠ければ」としたのはまずかったなと。
だからバチが当たったんですよ(泣)
ほんとは片道190円なので近いんですよ。でも渋谷方面の電車って混むじゃないですか。
それでいつも私、渋谷に出るときは各駅停車と決めているんですが、
1回目はダイヤの関係で、まさかの往復で急行…
立ちっぱなし!(本当は座りたい)
急行で行けば近いでしょう、って天に(!)言われたようなものです
(↑人形劇三国志では「天意」という言葉がよく出てきますよね(汗))。
反省したらお許しが出たのか(笑)2回目に行ったときは往復ともに各駅停車で行けました。

それはさておき、ファミリー劇場で人形劇三国志を見たから来たという人は、
私以外にどれくらいいるんでしょう?
1回目に行ったとき、入ってすぐのところに
「ファミリー劇場で好評放送中」といったようなチラシがあるにはあったんですけどね
(2回目に行ったときはすでに箱が空でした。間はわずか1週間なのに、すごい集客です)。
私はひそかに
(川本喜八郎ギャラリーがある)ヒカリエがオープン→ヒカリエ集客のために人形劇三国志をCSで放送
という計略(!)があったのではと思ってるんですよ。
…だとすると計略に見事はまってしまったわけですが、
わかっていて行ったのですから大丈夫(?)ですよね。
あら、よく思い出せば下にある紅茶屋さんで散財してたじゃないの。
やっぱりはまってる…!うええ〜ん(笑)

そろそろ本題へ。
展示は三国志と平家物語の人形です。
源氏物語ファンとして分け入ると完全アウェーですね(笑)
ですので、にわか人形劇三国志ファン(?)として分け入ります。
…源氏物語?
ええ、そうなんです。当サイトは源氏物語のサイトなんです。あはは(汗)
突然源氏物語の話題が出たら、そんなこと言ってたなと思ってください…
あえて無理やり言えば、源氏物語の時代は装束的に、この2つの真ん中辺りの時代にあたります。
三国志の人形たちの装束は後漢〜三国時代ではなく、唐代の装束をベースにしたものが含まれているようです。
多分その方がかっこいいのでしょうね。
で、そんな唐風の装束が日本で着られたのは奈良時代から平安時代初頭です。
また、平家物語の時代は平安時代末期でしたね。
…やっぱりアウェーです(笑)

行って来た日(2012年9月29日&10月5日)の展示は大体こんな感じでした↓
クリックで拡大します。
展示室の様子
現地でせっせとメモってきました(笑)
四角いふきだしは展示テーマのプレートに書かれていた内容、丸いふきだしは筆者の私による注です。

平家物語の方はちょっとわかりませんが、
三国志の方は放送で使われていた人形たちではないということなので
違いを見て楽しむというのもここの醍醐味ですよね。
また、人形たちと目が合うように配置されているのも見どころです。
ぜひ目を合わせてみてください。すごいですよ。本当に見つめられているような気がします。
(私は孔明さんに睨まれました。胆の冷える心地でした…私、何も悪いことしてないですよ!!)

三国志の人形たちの中で、一番入り口近くにいるのは魯粛さんです(なぜか、さん付け)。
魯粛といえば、険悪ムードの諸葛亮と周瑜の間に挟まれて気の毒な立場の人でした。
大変でしたね…と前の説明文をじっくり読んでいると左側前方から視線を感じました(笑)
周瑜です。でも改めてそちらを見ると今度は決して目が合いません!なぜ?
孫権は良い椅子に座ってらっしゃる…
その左側は劉備陣営の二大軍師の諸葛亮とホウ統です
(「ホウ」の字は環境依存文字なので、やむなくカタカナです)。
ホウ統の羽織り物って、細長(=平安時代の裾が分かれてヒラヒラした上着のこと)に似ています。
こういう上着が大陸から日本に渡ってきて、前後の裾が長く伸ばされ、細長ができたのかもしれませんね。
細長の襟の形が一説には、ひな人形のおだいりさまの上着のような盤領(あげくび)とされるのも、
もともとがこんな風な男物の着物だったことから、尾ひれがついて生まれた形なのかもしれません。
(突然の源氏サイト化…このページに多くいらっしゃるであろう、川本先生の人形や、
人形劇三国志、平家物語に関心のある方には???な話でスミマセン)
さらに左側には劉備・関羽・張飛・趙雲の4人です。
なかでも張飛が人形劇中よりも3割増しでかっこいいです。
前に置かれた説明文に、三国志演義が成立する前に広まっていた物語では、張飛が主役だったとありました。
そうなんですか。それでですか(笑)
L字型のガラスケースの角部分には赤兎にまたがった呂布の雄姿(!)がありました。
すぐ右隣りにいるのが関羽なので、赤兎の表情がまんざらでもないように見えたり…?(笑)
両手に花ならぬ、両手に愛する主人です。
角を過ぎると陳宮がいて、中央には董卓、すぐ左隣に李儒。
董卓と李儒は二人とも豪華そうな着物を着ています。
その手前は王允と貂蝉です。
貂蝉きれいですね!
前にも別のページに書いたことがありますが、私は奈良時代の女官装束がとても好きなので、
三国志でちらっと出てくる女性陣の装束に、萌えて萌えてしょうがなかったのです(笑)
貂蝉の髪飾りは、髷の前側を飾る金の鳥以外は結構違う印象でしたが、
ここにいる貂蝉にはこの髪飾りがいいと思えるようなものでした。
左右に下げられた七宝が印象的です。
奥の隅は曹操陣営より、曹操、郭嘉、夏候淵の3人です。
優秀な部下2人を従えて、閣下は何だか満足そうに見えます(笑)

平家物語…実は詳しくなくて大変書きづらいので、見ての感激どころを書いておきます!
まず、平家物語の女性の長袴の紐の端に(泰子のものが見やすいです)、
砂時計のような形(正確には「大陸のこまの形」らしいです)の飾りが
ちゃんと付いていたのが素敵なところです。
本当に隅々まで心を配っていたんですね!
でも、放送でワンカットでも映っていたのでしょうか?
映ってないなら何とも惜しい話です。
また展示室内のパネルに、人物を表現する上で衣装は大切という話がありました。
それで奔放で激しい性格だという泰子の着物が、
紫が基調としてポイントで山吹色という配色だったことがちょっと笑えました。
「ドラゴンボール」に出てくるチチみたいで…(笑)
チチは激しい性格なだけで、奔放ではありませんけどね。
ついでに、源氏物語に登場する奔放な朧月夜のイメージカラーとして
私が前に考えていた色とも一緒で…
みんな考えることは一緒なのかと、恐れ多くも先生を妙に身近に感じてしまいました。
(ありゃりゃ、平家物語の話は泰子のことしか書いてない(汗))

パネルつながりで個人的にびっくりしたことをもう一つ。
人形の手はラテックスで作られていて、中に針金が仕込んであるそうです。
だから指の曲げ伸ばしができるんですね。
話に応じて剣やら筆やら、太さの違うものをどうやって持たせているのか不思議だったのですが、
そうなっていたんですね。
確かに見ていて顔とちょっと質感が違うとは思っていました。

少し残念だったことも書きます。
人形の後ろが見えるように、小さくていいので鏡を置いてほしかった…
後ろ姿も作り込んであるだろうとわかるので、なおさらです。
えっ、平家物語は日本人なら後ろ姿もイメージできるでしょう?、
それから三国志の武将は少し横向きに立っている趙雲を見て、他は想像しなさいってことですか!?
ええーーーっっ
想像力が足りないので実際に見てみたいです(趙雲の右袖も見たいです)。
それに文官の人たちや、貂蝉のような女性はどうすればいいんですか!?
これから何度展示替えがあっても、後ろ向きに置かれるなんてありえないじゃないですか。
…ええ、わかってますよ。公営な上に入場無料なんだからわがまま言ってはいけないと。
鏡、安くないですものね(涙)

行く前にネット上で、パンフレットが欲しいけれど無いという話を見ましたが、
日によっては長野の美術館の広報パンフレットがあるようですね。
でもみなさんが言っているパンフレットって、ここに展示される人形たちの写真やらが載っていて
ちゃんと本の形になっているやつのことですよね。
2500円くらいで(展覧会の図録の相場がこれくらいです。タダがいいとは決して申し上げないので、ぜひ良いものを!)
ヒカリエ内のどこかで売ってほしいな…と思いました。
どこか…展示室内に人を置くのは、人件費のこともあって難しいかもしれませんので「どこか」です。
書店ならベストですが、どうやらヒカリエ内にはないみたいですね…
まあ、あれだけお店があるのですから、どこかに置かせてもらって
「図録は○階の××で販売中です」ということにしたら(お客さんの流れもできますし)
いいんでないでしょうか(←勝手に)


本当に素晴らしいギャラリーでした。
定期的に展示替えを予定しているそうなので、またそのうち行ってみたいと思います。
見に来ていたお客さんの中に、通いなれていそうな雰囲気の方(常連さん?)もいましたし、
私だって片道190円ですものね。

興味はあるけれどまだ行ったことがないという方がいらっしゃいましたら
ぜひぜひ行ってみることをおススメします!!





2012年10月12日公開



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