アクアマリン染料落とし実験(?)


はじめに

数年前に緑がかった水色で不透明な、天然石のさざれビーズを買いました。
石の種類は分かりません。
ラベルにも何も書かれていませんでした。
しかも、買ってから使い道に悩みました。
さざれってどう使うの???

そして数年後(去年)あるネットショップで、
きれいなアクアマリンのさざれビーズを買い、
今年、テグスに通してリリアン編みをしてみました。
なかなかいい出来でした!

さざれ!いいじゃない、今まで使い道に困っていたけど、と思って
引き出しをさぐると、水色の不透明なさざれが出てきました。
この石なんだろうと、眺めていると…
急に、これはアクアマリンでは?と思いました。
ずーっと何の石かわからなかったアレです。
そう思って改めて見ると良く似ています。
でもなんだか透明感がない…
ビーズの穴や石のくぼみが変に青い…

ああ、染めアクアマリンなんだ、と分かりました。
(今、「染め」と書きましたが、
アクアマリンはそのままでは染めることができません。
しかし加熱後に急冷すると結晶に細かいひびが入るので、
そこに染料をしみこませて染めることができるようです)
これ、何とか落とせないかなと思い、無水エタノールに浸すことにしました。
以前、この方法で染めローズクオーツの染料を洗い流したことがあったからです。
(こちらも染料だまりがきたならしかった!)
それに調べたところ薬品にはそれなりに強いらしかったので…


用意したもの

染色アクアマリンさざれ 20cm 1本
ジャムの(?)空き瓶 1個 ガラス製(←口の広いガラス瓶なら何でもいいです)
無水エタノール(消毒用とは違い、水が含まれていないもの)


手順
まず、さざれビーズを通している糸を切ってバラバラにします。
これをガラスの瓶に入れ、ビーズが浸るほどの量のアルコールを入れます。
あとは放置!
アルコールに染料の色がついたり、
液が濁ったり、表面に汚れの膜?が浮いたら
アルコールを交換します。
アルコールの蒸発を抑えるためと、何より臭いのでふたを忘れずに!
とりあえず、火の気がなく、直射日光の当たらないところに置きましょう。
室温で大丈夫です。


実験の期間
2011年5月30日〜10月12日


結果

実験前のアクアマリン(糸は切ってあります)の写真です。
実験前
ビーズの穴やくぼみに濃い水色の染料だまりがあるのが見えるでしょうか?

実験後のアクアマリン(アルコールから取り出して、乾かしたものです)の写真です。
実験後
染料だまりが無くなりました。また全体的な印象では白っぽくなった感じです。


考察(!?)

エタノールに浸したのは、染料が水溶性ではないと考えられたからです。
水溶性の染料だと、汗でも染料が溶けだしてしまい、クレームものです。

以前、ローズクオーツを洗ったときと同じくらいの時間で染料は落ちると思っていたのですが、
(ローズクオーツは1〜2週間ほどできれいになりました)
かなりかかって4か月ちょっとエタノールに浸しました。
これは、染料がついてからの時間が長かったためではないかと考えています。
染色してから販売されるまでの期間は分かりませんが、
少なくとも管理人が買ってきてから洗うまでの時間には大きな差があります。
ローズクオーツは買ってから1か月も経たないくらいで洗いました。
今回のアクアマリンはおそらく買ってから5年は経っていると思います。

アルコール処理の後、どうしてもビーズの穴の部分の染料が取れないときは、
つまようじの先でこすってみるといいかもしれません。
管理人も最終的にはそうしました(笑)


…なんだか、実験レポートみたいですね。
理科アレルギーの方すみません!

さて…天然石をアルコールに浸すなんて!と思う方もいるでしょうが、
管理人も基本的にはしません。
そもそも天然石に加工はつきものです。
今回の染色以外にも熱処理というものもあるようです。
アクアマリンもよく熱処理されるようです。
管理人は加工してきれいになっているなら、それでいいかなあと思います。
でも、きたないとなるとちょっと…
ということです。

いま思い出したことですが
アクアマリンの強度を高め、透明感を向上させるために、
無色透明のワックスを浸透させるという話を聞いたことがあります。
ワックスも、アルコールで溶け出すようです。
そういえば、透明な小さなかけらのようなものがアルコール中に漂っていたので、
あれはワックスだったのかな…と思います。
無色透明なワックスならともかく、色つきワックスに漬ければ染料だまりもできますよね。
ワックスを取り除いたことで、
強度が下がったのでは(欠けやすくなったのでは)ということは考えられるので、
強度が心配な人にはやはり勧められないかも…
管理人も強度重視ですが、今回ばかりは
見た目のきれいさ >>>>>>>>(←!) 強度
でした。

それともう1つ…仕上がりの見た目に関して、触れておくべきことがありました。
初めのほうでも書きましたが、染色のために結晶にひびを入れられているらしく、
実験後のアクアマリンは透明感がなくて白っぽい印象になっています。
ですので、透明感重視の方にはあまりお勧めできません。
透明感 > 染料だまり と思える方はお試しください。

最後に
この方法を試してみて何か問題がおこっても、
責任はとりませんのであしからず、です。




2011年10月17日公開
2012年5月3日更新



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